先生、教えて?
先生シリーズB
ナカ先生。
ひかえめに扉を開けて、挙動不審に教室に入ってくる。
緊張せず、普通に歩けば綺麗なのだがなかなか職場に慣れないようだ。
そして教壇に立つのだが、いつもここで挨拶を間違ってしまう。
「こっここここここんばんは!蕪木です!」
気合いを入れるわりには意味のない自己紹介などをしてしまうので言った瞬間沈んでしまう。
毎回違うことが出てくるのがおもしろい。
あるときは、
「苦手なものは雷です!」
とか
「宝物はたくさんあります!」
など天然なことは分かっているので生徒がしらけることもない。
「ええええっと、今日は」
最初の挨拶が済んで少し緊張がやわらいだのか極悪面はいつもの一生懸命な顔にもどりつつある。
しかし、
「先生〜!梶原先生かっこいいですよね!」
「付き合ってるんですよね!」
「ラブラブなんですよね!」
と立て続けに質問されてしまったのでまた緊張のあまり極悪面に逆戻りしてしまった。
「ああああの、その噂はどこから…?はっ!もしや堤さん!?」
「堤さん」…?
教室がまた揺れた。ナカは自分が他の情報を与えてしまったことに気付いていない。
ただ滝のように汗をかいているだけだ。
「堤先生もなんか知ってるんですか?」
「堤先生顔がエロスですよね!」
「今度オレ聞いときます!」
「やっぱり噂は本当なんですか?」
「てゆーかさっき梶原先生に何言われてたんですか〜?」
廊下で繰り広げられた大人とは思えないほど甘酸っぱいやりとり。
あれを見て、噂を信じない者はいないだろう。
「あっあれはですね…なんでもないですよ…
ちょっと、か、じわら先生が授業頑張れって…緊張せずにって…後押ししてくれた…だけであって…そんなみなさんが思うものでは」
どんどん顔が赤くなってゆく。
生徒もつられて赤面してしまう。
なかなかものすごい惚気であるとは思っていないようだが、恋人のいないものにとっては正直少しこたえるくらいだ。
しかし、ウミのことを語るナカの年上とは思えないほどの初々しさに生徒は笑顔になった。
さて、次のウミの授業ではどうなることやら。
そして生徒はまた情報を集め、先生いじりに励むのだった。
fin.
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あとがき。
まだ続くんですね!はいそうです★(わお)
次は堤さんあたりです。
早くマイダーリンちーさん出したいです(それが本音か)(でもでもちーさんの相手はウミだって…)(黙れ)
written by...澪