先生、教えて?
先生シリーズA
噂の真相。
まだ授業も始まる前だと言うのに教室内はおとなしい。
まるで、何かにおびえているようだ。
みんなが扉にくぎづけになっている。
いや、正確には、扉の向こうの彼女に、だ。
「蕪木先生…」
「なんであんなとこしゃがんでんだ?」
「てか無意味にすみっこ」
「ていうか早いよね」
新米教師の蕪木ナカはまだその職業に慣れないらしく、いつもいつも授業に必要以上に早く来ては何かぶつぶつと言いながらチャイムが鳴るまですみっこにいるのだった。
今日はしゃがみこんでいるがもっとひどいときには奇っ怪なポーズで本をさかさまに持っていたり、何を思ってか壁に自分で頭をぶつけていたりする。
生徒はそんなナカに怯えながらも学校一の個性派として好意を持っていた。
あの外見の神秘的な美しさとのギャップにも魅かれるものがある。。
「あっ!来たよ」
「よし!実況しろ!」
ある教師がナカに近寄る。
そしておでこにデコピンをくらわした。
「梶原先生が蕪木先生にデコピンをくらわした模様!
梶原先生何かを言っています!蕪木先生ものすごく嬉しそうです!めちゃめちゃ可愛いです!惚れそうです!
おっとこの反応に梶原先生照れている様子!初々しい!実に初々しい!かっこいいのに初々しい!」
廊下にいる当人らはそれに気付かない。
生徒はいつもこの時間を楽しみにしているのだった。
これでは噂がたってしまっても仕方がない。
キーンコーン
そしてチャイムが鳴って、例のごとく質問タイムがまず始まるのであった。
fin.
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あとがき。
第二弾というね。
ちょっと今回は短め?だと思います。
大人になっても赤面バトル★…いいですねぇ…(にや)
written by...澪