気づいたときにはすでに。




Yellow




いつからだろうか。

あの光にすけて輝く栗色の髪に心を奪われるようになったのは。


いつからだろうか。

あの心からの笑顔に、応えてやりたくなったのは。



そう、いつからか分からないけど
あいつに救われていた。

だから俺も
あいつを守ってやる。全てをかけて守りたいんだ。



「なーあー棗」

「…」

「棗ってなんでかねー、時々めっちゃかっこよくなるときあんねん!いや、今も十分かっこええけどな。

なんや、心!心がめっちゃ輝いてるように見えるときがあんねん!」


寄り添ってきては
俺がつい笑ってしまうようなことを言う。


全てが偶然から始まってしまった俺達だから、本当に何故蜜柑が俺のことを想ってくれているのか検討もつかない。

だがもし、
そんなことで俺が輝いていると言うならば、


「それは…お前を守るって決めてからだ。蜜柑」


輝いている黄色い光が俺を照らしただけだ。


そして、昔は仮面をかぶったままだった自分の顔が笑っているのが分かった。


fin.

****

あとがき。
なんか棗視点です。
短くてよく分からないお話。笑
蜜柑視点とリンク?してます。(?つけちゃったよ)

written by...澪