Special SS 2


棗の耳に光るピアスにふと、目がいく。

「なあ、ピアスって痛い?」

指先でちょん、と耳たぶに触れる。

その感触に、人知れず棗の身体は小さく震えた。

「痛くねーよ」

「嘘やろー!絶対痛そう!」

「まあ…完全に穴が開くまではきついヤツもいるらしいな」

やっぱりー!と騒ぐ蜜柑の耳たぶにそっと触れる。

ピク、と震えるのが分かる素直な身体だ。


「おまえは開けんな」

「…な、なんで?」

「なんでもだ」

そう言って、傍を流れ落ちる蜜柑の細い髪を避けて、

その柔らかい耳に唇を寄せると、

それは、棗の赤いピアスのように、真っ赤になった。





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